どうも。 さとまると申します。
30歳サラリーマンが実際に読んで魅力を伝えたい!!と思った本の
要約・書評ブログを書いてます。
今回読んで面白かった本はコチラ
「 世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」
佐藤航陽 著
著者の佐藤航陽さんは㈱スペースデータの代表取締役社長であり、数々の本も出版されています。
聞きなれない単語ばかりですが、とにかくすごい人!ということは伝わりますよね(笑)
本書は以下の構成で書かれています。
第一章 メタバースの衝撃
第ニ章 世界の創り方Ⅰ【視空間】
第三章 世界の創り方Ⅱ【生態系】
第四章 競争から創造の世紀へ
第五章 ポストメタバースの新世界
終章 世界の真実は自分の目で確かめるべき
「メタバース」とは?
メタバースとは、インターネット上に作られた3次元仮想空間のことです。
そのためには、高性能コンピュータや高通信速度、3DCGなどのテクノロジーの進化は必須です。
、と世間一般での説明だとこうなります。
では、佐藤航陽さんからするとメタバースとは何なのでしょう?
ズバリ、世界を創造することです。これを「神の民主化」と表現されています。
※この視点が本書の一番キモとなる部分で、最も興味深く面白かったところです。
一度は「世界をより良くしたい!」、「自分の思い通りになる世界が欲しい!」と思ったことありませんか?
しかし、人一人でできることなんてたかが知れています。しかも、世界には惰性が働いていて個人では容易には変えられません。
ではどうするか、、、答えは簡単、
新しく世界を作ってしまえばいいのです。メタ―バースで。
この考え方こそ、他のメタバース関連の書籍とは一味違って面白い考え方です。
では次に、世界とは何ぞや?、という疑問に切り込んでいきましょう。
世界を因数分解すると…
我々人間から見た場合、世界は何で構成されていると思いますか?
佐藤航陽さんは、このムズカシイ問いを解像度高く説明してくれています。
答えは、世界=視空間+生態系
視空間とは、海・山・観光地など目に視える場所を指します。
生態系とは、国・社会・学校・会社などコミュニティを指します。
視空間とは?
単純に言ってしまえば、視空間=人間+人以外
人の顔や様子の変化にはすぐに気付くのに、いつも見ている景色は多少変化したところで気づくことは少ないです。
これは人間の生存本能に従ったものだと思います。
古来より群れで生活してきた人類にとって、群れから追い出されたり危険な個体を群れの中に置いておくこと=生存危機でありました。
だからこそ、より人間は人間の動向に敏感になり、そのための情報処理スペースの確保のため、
それ以外の背景などはぼんやりと認識するに留まったのだと思います。
メタバースで世界を作るときにもこの感覚は必要になります。
仮想空間と言っても、少しでも不自然さや非現実的なものを感じると没入感は弱まります。
とても難しい作業ですが、この境界線を言語レベルや論理に落とし込み再現することができれば仮想空間としても十分に成り立つことでしょう。
生態系とは?
生態系=自律性+有機性+分散性
自律性とは、指示や命令がなくても参加者がここで考えて行動する、こと
有機性とは、参加者がお互いに連携しながら全体を形成する、こと
分散性とは、司令塔がいなくても全体が動き続ける、こと
生態系は何のために必要?
生産者と消費者が価値をやり取りする環境として生態系は存在します。
その価値とは、大きく分け次の3つ。
実質価値 (実生活で役に立つモノやサービス)
感情価値 (映画や音楽など感情をポジティブにしてくれるもの)
社会的価値(ボランティアや寄付など集団全体にプラスになるもの)
生態系をつくる方法
価値をやり取りする人(生産者と消費者)を集めなければいけません。
代表的な4つの方法が以下になります。
1.自らが生産者となり消費者を集める。
例)Amazon(倉庫を借りて膨大な商品を販売)や任天堂(ゲーム機やソフトを開発)
2.生産者・消費者の両方を兼ねる人を集める。
例)ソーシャルメディア(投稿者と閲覧者)やフリマアプリ(売り手と買い手)
3.生産者に有益な情報や道具を提供する
例)Instagram(無償で写真加工できるアプリ)
4.他の生態系に便乗する
例)Airbnb(地域掲示板をハック)
人を集めることができれば、次は設計です。
1.マッチングの支援
消費者の手間を省き、価値のやり取りを円滑にする。
例)消費者の過去の購買履歴から欲しそうな商品をおすすめしてくれる。
2.信用の可視化
相手が信用するに足る人物かを判断する客観的な指標。
例)いいね!や、フォロワーの数がわかるようにする。
3.違反者へのペナルティ
善良な参加者が安心・安全に価値のやり取りを行うため。
4.自助努力できる知見や道具の提供
参加者が自発的に行動し、生態系を活発にする。
生態系に参加者を惹きつける方法
参加者をさらに活性化させるためには、次の方法が効果的です。
1.ランダム・フィードバック
リアクションが一定でないとき、面白いと感じる癖があります。スポーツやギャンブルなど
2.届きそうな目標の設定
少し頑張ればできそうな目標に人は挑戦したくなります。
3.難易度のエスカレーション
作業の難易度が少しずつ上がると面白くなってハマります。
4.社会的相互作用の可視化
「誰かから見られている」ことが可視化されると進んで行動します。
オンラインでのランキングやいいね!の数など。
5.進歩している実感の提供
小さな成功を積み重ねると自信になり、それが楽しくて行動してしまいます。
たまるポイントや経験値によるレベルアップ、など。
よく考えてみると、全てゲームに当てはまるということがわかるかと思います。
私たちは知らない間に、ゲーム世界の参加者となっていたんですね。
メタバースによってもたらされる未来とは?
ここからはメタバースによってもたらされる仕事、資本主義、民主主義、戦争について、
未来のありかたをまとめます。
結論、これからは課題解決能力ではなく、自ら価値を創造する能力が必要になります。
仕事
これまでは仕事上の課題を整理し、予測して行動することが求められました。
しかし、これらの仕事はAIが代わりに行うため、人間の出番はどんどん減っていきます。
そこで必要になるのが、世界を作る創造力です。
新たな価値を生み出す作業は人間にしかできません。
AIは今までの経験をデータ化して実行するだけだからです。
資本主義
現実世界の資本主義は、限られた資源から価値を作るゼロサムゲームでした。
(誰かが資源を手に入れれば、他の人は手に入れられない)
しかし、仮想空間では誰でもいくらでも価値を創造することができます。
それによって、現実世界の価値は相対的に低くなります。
この資本主義に代わる新しい価値観を、価値主義と呼んでいます。
3つの価値観(実用的な価値、感情的な価値、社会的な価値)のバランスが重要視されます。
民主主義
世界は複雑化し、すでに人の頭で全てを理解できるレベルではなくなっています。
その膨大なデータから最適解を導き出すのがAIです。
現代において、誰もが納得できる答えを出すことなど不可能に近いでしょう。
AIが出した答えならば、例え反対したところでノーリアクション。
かくいう法律も、いわば人間が作ったアルゴリズム。
これこそAIが得意とする分野であり、人の出番はなくなります。
戦争
国がエネルギー・移動手段・通信手段をAIによって制御している場合、人ではなくAIを攻撃した方がはるかに甚大なダメージとなります。
非中央集権的な生態系のようなコミュニティ同士の戦いであれば、参加者それぞれの心を奪い合います。肉体的ではなく、精神的な攻撃が生態系の崩壊を招くからです。
いずれにしても人への直接的な攻撃は無くなり、生態系やインフラといったシステム自体への攻撃が勝つための有効な手段となります。
感想
284ページと標準的ですが、抽象的な話が多く、難解な箇所もいくつか見受けられました。
しかし、佐藤航陽さんならではの視点が非常に面白い著書に仕上がっています。
新しい世界を作るために世界を因数分解し、何が必要かを具体的に紐解いていく。
今までにない価値観で世界を見られるようになります。
これまでに見てきたメタバースによる世界は、かなり再現度が高い未来の話だと思っています。
それは、著者の佐藤航陽さんが法則を見つけ出す達人だからです。
2015年に著書「未来に先回りする思考法」 ディスカヴァー・トゥエンティワン
では、現代のような社会になることを予想しておりました。
以前に書評・感想を書かせていただいたので、こちらもぜひご覧いただければ。

以上、参考にしていただけましたら幸いです。
もっと深く知りたい!と思ったら、実際に本書を読むことをオススメします。
表紙がとてもきれいでした(^^♪
ではまた。
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