生命が地球に誕生する確率を表すのに、こんなたとえがあります。
「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、ぐるぐるかき混ぜていたら自然に腕時計が完成し、しかも動き出す確率に等しい」著者-小林武彦(2022). 生物はなぜ死ぬのか 講談社現代新書
どうも! 手取り20万サラリーマンのさとまると申します。
今回、ご紹介する本はこちら!
「 生物はなぜ死ぬのか」
小林武彦 著
みなさん、生物(人を含め)はなぜ死ぬと思いますか?
疑問に思っても深くは考えてこなかったと思います。
私も死ぬのは当たり前、くらいに思ってました。
しかし、本書に出会えたことで疑問はほぼ解消されました。
(なぜ”ほぼ”なのかは後でご説明します)
さらに本書には、アンチエイジングや長寿についても書かれています。
本記事では、中でも私が共感した部分をご紹介いたします。
※全文読まなくても、太字のところだけでもわかるようになってます。
Q.なぜ人は死ぬの?
A.死ぬことで生き残ってきた「ヒト」という種の子孫だから。
生物は、誕生~現在の間に数えきれないくらいの種が生まれては絶滅しています。
その中でも生き残った選ばれし種こそ、今を生きる生物です。
つまりわれわれは、大多数の他種が絶滅することで生き残ってきた
、ということになります。
環境に対応できなければ生き残れない。
これは人間社会にも当てはまります。
かつて、インターネットは娯楽の一部でしたが、今では何をするにも必要不可欠な存在です。
それは同時に、この波に乗れなかった企業や個人は淘汰されることを意味します。
少子高齢化が進む日本では高齢者を支える資金が足りず、
その負担が若年層にのしかかっています。
そのせいで養育費、教育費にも影響し、子どもを生み育てる機会は失われています。
少し言葉が悪いかもしれませんが、ヒトという一種の霊長類から考えると
長生きすることは子孫繁栄の危機ととらえることができます。
死ぬことでヒトはここまで進化することができたのです。
Q.なぜ人は老いるの?
A.細胞が老化して死んでいくから。
生物の体には、異常が起こった細胞を排除する機能が備わっています。
それが免疫と老化です。
細胞は成長する過程で分裂を繰り返します。
そのとき、ごくまれに不良品が生じるんです。
もしその不良品を排除できなければ、がん細胞となります。
これを回避するために、
・不良品を新しいものに交換する →老化
という2つのパターンがあります。
もし免疫が過剰に反応しすぎると、正常な細胞まで分解してしまいます。
そこで老化の出番です。
言い換えれば、
「正常な細胞と異常な細胞の区別ができないから、全部作り直せばいいじゃん!」
って感じです。
しかし、老化による細胞入れ替えシステムもいずれは錆びついてきます。
そのころ(55歳くらい)から、がんが発症したりするのです。
Q.なぜ生物が存在するの?
A.特に理由はない。奇跡みたいな偶発が重なっただけ。
ビッグバンによる宇宙の誕生でたまたまできちゃったのが生命。
その子孫が我々なんですね~
だから、生きることに意味なんて求めなくていいんだって納得しちゃいました(笑)
冒頭で”ほぼ”と言った理由がこれです…
強いて言えば、次の生命にバトンを渡すのが生きる意味です。
進化(変化)の中で生き残った(選択)生命の子孫の最前線である我々現代人もまた、
その過程に死は大切な工程として含まれています。
これが本書に何度も出てくるキーワード 「変化と選択」 です。
死の恐怖からは逃げられない
そもそも死とは人間特有の感覚です。
生命全体からすれば、種の保存に死は不可欠なのです。
それでもやっぱり死ぬのは怖い…
まぁ、そう言われても割り切れませんよね、、、私もです。
これ以上は哲学的な話になりそうなので、この辺にしておきましょう。
まだまだ紹介しきれなかった内容が山積みです。
もっと知りたい!と思ったら、実際に本書を読んでいただくことをオススメします。
今回ご紹介した内容は、私が独断と偏見で選んだ一部にすぎません。
本書は以下、5つの章から構成されています。
第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか
第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか
第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか
第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか
私が今回取り上げたのは1、5章です。
本書は、全日本遺伝学会会長である著者により
生物学、哲学、健康まで幅広い視点で書かれています。
今流行りのプチ断食についても述べられています。
所々でまとめられているから、そこだけ読んでもかなり理解が深まります。
これを機に、生命についてご興味を持っていただければこんなに嬉しいことはありません。
本を読む時間が無い!、という方には「耳で聞く読書」がオススメです。
詳しくは下のリンクからどうぞ。(急な広告、失礼します。。。)
ではまた。
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