「お金を払うというのは、自分で解決できない問題を他人にパスしているだけなんや。
しかし、僕らはお金を払うことで解決できた気になってしまう。」著者-田内学 (2023). きみのお金は誰のため 東洋経済新報社
どうも! 手取り27万サラリーマンのさとまると申します。
今回、ご紹介する本はこちら!
きみのお金は誰のため
田内学 著
本記事は、こんなアナタにぜひ読んでいただきたいです。
始めに断っておきます。
本書は、お金のみならず世界の見え方さえも一変させられる本です。
今の感覚のまま生きていきたいという方は、読まないでください(笑)
その理由を知りたい方は、本記事をお読むいただくことをおススメします。
それではどうぞ。
※全文読まなくても、太字のところだけでもわかるようになってます。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
Q. お金は何のためにあるのか?
A.お金=みんなが互いのために働く社会をつくるための道具。
本当の価値は、人が働いて誰かの問題を解決することにある。
だから、お金自体に価値はない。
我々にとってお金は当たり前の存在です。
お金を払うだけで、知らない人が作ったご飯を食べたり、知らない人に家を建ててもらったりすることができます。
ここでいったん、お金がない社会を想像してみて下さい。
見知らぬ人の家に入ってご飯を食べたり、他人のために家を建てようだなんて思いません。
身近な身内や知り合いとともに自給自足の生活になりそうですね。
他人のモノが欲しければ物々交換したり、生きていく上では問題ありませんが何か物足りません。
そこで国の偉い人たちは考えました。
このままだと効率悪いし、経済が発展しないなぁ…
もっとコミュニティ間のモノやサービスの流れをうながしたい!
そこで発明されたのがお金(貨幣)なんです。
しかし、いきなり貨幣を使えと言われてもそれが本当に使えるか保証がありません。
そこでまた偉い人は考えました。
よし、貨幣じゃないと税を納められないようにしよう!
そうすれば貨幣が流通してモノやサービスも行きかうはず!
納税は国民の義務ですので、できなければ捕まってしまいます。
だから、国民はお金を得なければなりません。
このように国のお墨付きを得たお金を求め、物々交換ではなく
その対価としてお金を欲しがるようになりました。
お金が何なのかを理解するために必要なこと、
それは国全体の視点です。
これだと国が悪いように聞こえてしまいますが、全く逆です。
お金があるおかげで流通が促進され、分業が進み、便利な技術やサービスが開発され
快適な生活が遅れているのです。
でも忘れてはいけません。お金自体が役に立っているわけではありません。
お金の向こうで誰かが働いてくれるから、今の便利な生活があるんです。
Q. お金を受け取るとは?お金を払うとは?
A. お金を受け取る=誰かの問題を解決したということ。
お金を払う=誰かに問題を解決してもらうということ。
給料がもらえるのは、誰かの問題を解決したからです。
1日8時間の労働をしたからではありません。
店員は誰かの買い物を手助けしているし、配達員は荷物を誰かに荷物を届けています。
会社員は会社を通じて誰かの役に立っています。
そして、そのお金で何かを買ったり、サブスクの使用料を払ったりするのは、
自分が解決できない問題を誰かに解決してもらうためです。
新しい服が欲しいとき、一から自分でつくったりしないですよね。
お店に行ってお金を払う人が大半です。
欲しいけど自分で作ることができない、あるいは面倒くさいという問題を解決してもらうんです。
お金を払うことで。
同時に、お金には投票券の役割もあります。
つまり、消費者がお金を払うものが社会には残り続けるということです。
だからこそ、それが社会に残っても良いものかどうかを考えお金を払う必要があるのです。
Q. お金よりも大切なことは?
A. 人は互いに支え合って生きていることを自覚し、社会の出来事を他人事ではなく自分事としてとらえること。
お金に固執することなく”幸せな未来”を共有することで、将来の不安を減らすことができる。
我々は何かしらのコミュニティ(家族や友達、学校、会社など)に所属しています。
ここで質問です。家族でご飯を食べる時にお金を払ったりもらったりしますか?
ほとんどの人はしないと思います。
しかし、飲食店に行くとお金を払います。社会ではお金を払ってモノやサービスを購入します。
では、世の中の売買からお金を取り払って考えてみましょう。
こうすると、コンビニが無料でおにぎりをあげていることになります。
つまり、ただの贈与になります。お金はこの贈与をスムーズにしている道具にすぎません。
お金のおかげで知らない人との贈与関係を持てるようになり、
個人が繋がれる社会が広がって生活は豊かになりました。
その反面、自分の生活を支えているのはお金だと勘違いしてしまい、
すべてが他人ごとになりお金を増やす(奪い合う)ことしか考えなくなってしまいます。
贈与関係によって互いに支え合っていると実感する場面が激減したからです。
個人の幸せのためにも、社会全体のためにも、
人は互いに支え合って生きているという実感を取り戻す必要があります。
それには、次の2つを意識することが重要になります。
2.人を愛すること。
1.共通の目的を持つことで、他人と協力することを意識するようになります。
特に”幸せな未来”は自分一人では実現できず、個人個人が同じ方向を向く必要があります。
幸せの形は人によって異なりますが、
地球環境や社会情勢といった課題に対しては共通認識を持ちやすいでしょう。
2.そして、人を愛することで世界は他人事ではなくなります。
愛する人が安心して暮らせるには、社会や未来が明るくなければいけないからです。
愛する人を常に自分が守るということができないからです。
これら二つの共通点は、社会に対して当事者意識を持つことです。
人は自分ごとと思えることをする時、頑張れる生き物なのです。
感想
ここからは私なりの感想になります。
お金によって、会ったことも話したこともない人たちの協力を得られるようになったり、
逆に見ず知らずの誰かの役に立てたりする。
その反面、範囲が広くなり過ぎることで実感が湧かず、人とのつながり自体がわからなくなってしまう。
お金がなければ狭く深く、お金があれば広く浅く、という付き合い方になる。
本書を読むまでは、お金を貯めることで将来の不安は解消できると信じていました。
お金で大抵の問題は解決できるから、今から資産運用で増やせば将来の心配はしなくて済むと。
しかし、私が高齢者になる頃にはどうなっているかわかりません。
お金の奪い合いの末、孤独を感じる未来ではなく、
幸せな未来を皆で分かち合う未来にしたいと思いました。
そのためには一部の人だけの考えが変わるだけではただの綺麗ごとでしかありません。
本ブログを通じ、本書のメッセージが一人でも多くの方に広がればと思います。
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した内容は、私が独断と偏見で選んだ一部にすぎません。
もっと知りたい!と思ったら、実際に本書を読んでいただくことをオススメします。
キャラクター同士の会話が多く、小説のようにサクサク読めますし、
読み終えた後、少し涙ぐんでしまいました。
(お金の本で感動するとは……)
本書は以下の構成で書かれています。
第2章 お金の謎2「お金で解決できる問題はない」
第3章 お金の謎3「みんなでお金を貯めても意味がない」
第4章 格差の謎 「退治する悪党は存在しない」
第5章 社会の謎 「未来には贈与しかできない」
最終章 最後の謎 「ぼくちたちはひとりじゃない」
今回の記事は、主に第1、2、5、最終章を参考にしています。
本を読む時間が無い!、という方には「耳で聞く読書」がオススメです。
詳しくは下のリンクからどうぞ。(急な広告、失礼します。。。)
ではまた。
コメント