【5分で解説!】ベストセラー『ファクトフルネス』の意味がわかる

BOOK

本記事は、ベストセラー『ファクトフルネス』の要約・書評ブログです。
※本記事は5分ほどで読み終わります。

✔『ファクトフルネス』ってどんな意味?

✔ なんでベストセラーなの?

✔ わかりやすい要約・書評ってないの?

という方にオススメの記事です。

 

☑本記事の特徴

・『ファクトフルネス』の意味がわかる
・なぜベストセラーになっているのかがわかる
・本の内容がだいたいわかる

 

ということで今回、ご紹介する本はこちら!

「 FACTFULNESS」
ハンス・ロスリング オーラ・ロスリング アンナ・ロスリング・ロンランド 著
上杉周作 関美和 訳

 

この本を読むことで、世界を正しく見ると良い方向に向かっていることがわかり、

とても前向きな気持ちになれました。

 

本の概要

チンパンジーよの半分しか世界を知らない私たち

本書の始めには、世界の真実に関する三択クイズが13問が掲載されています。

 

その中から2問をご紹介したいと思います。あなた自身も答えを思い浮かべてみて下さい。

Q.世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子供はどれくらいいるでしょう?
A 20% B 50% C 80%
Q.いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
A 20% B 50% C 80%

※答えは本記事の最後に載せています。

 

仮にこれらのクイズをチンパンジーに出した場合、三択なので正解率は33%となります。

一方、筆者らが14か国 1万2千人に同じ質問をしたところ、正解率は17%となりました。

 

つまり人間はチンパンジーの半分しか正解できなかったということになります。

この結果は一般人でも高学歴の人でも、専門家でさえも同じような結果になりました。

 

こうなった理由は、人が持つ先入観です。

人間の脳はネガティブなことに注目するようにできています。

大昔の狩猟採集時代に形成された脳の仕組みにより、最悪なシナリオに注目してしまいがちです。

本書ではこれを「ドラマチックな本能」と表現しています。

 

 

日本人の代表的な3つの本能

本書では10個の「ドラマチックな本能」が紹介されていますが、

すべてをご紹介すると長くなってしまうので

本記事では日本人が陥りやすい3つを厳選しました。

 

ネガティブ本能

人は物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しやすい生き物です。

偏った報道による悪いニュース、改善しているが悪い状況がまだ続いている中で
「世界は良くなっている」とは言えません。「万事OK」と捉えられかねないからです。
たとえ本人にその気が無くても、です。

1万円拾ったときと、1万円落としたときではどちらの方が感情を揺さぶられますか?
きっと、拾った喜びよりも落とした時のショックの方が大きいことと思います。

 

犯人捜し本能

悪いことが起こると人は誰かのせいにしたくなります

誰かのせいにすれば得体の知れない恐怖心は取り払えますが、
そのせいで個人や集団が実際より大きな影響力を持っていると勘違いしてしまいます。

地球温暖化を深刻化させているのは中国やインドなど人口が多い国だと思ってしまうのも
犯人捜し本能です。

現在問題となっているCO2の大半が、高度経済成長期であった日本やアメリカ、ヨーロッパが
過去に排出したものだったとしても、です。

 

焦り本能

「これを逃すと次はない」と言われると人は冷静さを欠き、即断即決したくなります。
十分な情報も無しに判断すれば誤るのは当然です。

差し迫った危機があった狩猟採集時代において、この判断力は私たちの祖先は命を救いました。
その機能は現代の私たちにも受け継がれ、今でも正常に働いています。

しかし現代においてそんな場面は滅多にありません。
今やらないと二度とできないことなんて滅多にないし、二者択一も絶対ではありません。

バーゲンセールや期間限定というワードに弱いのはこの本能のせいです。

 

正しく世界を見るために必要なこと

以上のような「ドラマチックな本能」を抑え、クリアな視点で世界をみるためには、
次の3つが必要となります。

知識をアップデートする

一つ目は、新しい情報を積極的に受け入れることです。

私が小学校で習った現代社会は、今となっては歴史の一部となっています。
学びに終わりはありません。

時には反対意見に耳を傾け、自分の間違いをきっかけに興味を持つことも重要です。

 

謙虚であり続ける

本能を抑えるのは難しいことです。
だからこそ自分の知識に限度があることを認識し、「知りません」とハッキリ言える姿勢が重要となります。

 

本当の問題に注目する

勘違いや思い込みを避けるためには、データに基づいた客観的な視点が必要です。
そこから真の問題を見つけ出し、正しく対処することが世界を良くする一歩となります。

 

 

感想

ここからは30歳サラリーマン目線での感想となります。

本書の読みやすさ

本書は400ページほどありますが、全体的に読みやすいと感じました。

質問やグラフなどを織り交ぜているおかげでページ数ほどのボリュームは感じられず、
筆者のエピソード話もあり、サクサクと読み進めることができました。

大まかには10章で構成されておりますがそれぞれのつながりは弱いため、
気になる所から読み始めても内容が把握できるところも読みやすいポイントでした。

 

こんな人にオススメ

テレビでニュースを見ている人に読んでもらいたい本です。
いかにメディアの影響を受けているのかが丸わかりになる人は多いんじゃないかと。

 

読み終えて思ったこと…

メディアのせいにしてはいけない

本書を読んですぐ、

世界のことを誤解してたのはメディアせいだ!

と思いました。

 

しかし、こう考えるのも「ドラマチックな本能」の一つである犯人捜し本能のせいです。

メディアも悪気はありません。
稼ぐためには我々の注意を引き続けなければいけませんから。

むしろ、私たちがネガティブニュースに注目してしまうことが原因とも言えます。
意識的にポジティブニュースを見るようになれば報道内容も変わるのではと思ったりしてます。

誰かのせいにするのではなく、自分自身で視野を広げて情報を集めることが大切だと感じました。

今やだれでも世界中の情報が手に入るんですから。

 

人類の最先端で…

多くの困難な状況(ペスト・スペインかぜ、世界大戦、フロンによるオゾン層破壊、自然災害)
に直面した人類ですが、これまで何度も立ち直ってきました。

歴史の最先端である現代においても世界は改善し続けています。

世界の現状を正しく認識し進歩に加担するか、
傍観者ならまだしも現実を見ずに批判して進歩を遅らせるか、
今のあなたはどちらの道を選ぶこともできるのです。

 

 

いかがでしたか? 本書は11の章で構成されています。

第1章 分断本能    「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能    「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
第4章 恐怖本能    危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能   「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
第7章 宿命本能    「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能   「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能  「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章 焦り本能   「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章 ファクトフルネスを実践しよう

今回取り上げたのは第2、9、10章です。

もっと深く知りたい!と思ったら、実際に本書を読むことをオススメします。

 

医師、公衆衛生専門家、TEDトークで人気のハンス・ロスリングが生涯をかけて仕上げた本です。

(2022年5月現在、YouTubeのTEDにて視聴できます)

彼は、本書を出版する一年前にすい臓がんで亡くなっています。

 

ハンスとその息子夫婦オーラとアンナの「世界を正しく知りたい!」という好奇心と情熱で

書き上げられた本書はドキュメンタリー映画のようであり、とてもメッセージ性の強い本です。

 

 

Q.世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子供はどれくらいいるでしょう?
答え C 80%

 

Q.いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
答え C 80%

 

 

以上、参考にしていただけましたら幸いです。

最後に本書中で印象的だった一文を添えて締めたいと思います。

 息を引き取った子供が、がれきの中から引っ張り出される姿をニュースで見ると、わたしの頭は恐怖と悲しみでいっぱいになってしまう。落ち着いて考えることなどできない。
大災害がまさに起きている最中に、「世の中は良くなっている」と言うのは場違いだ。

~中略~

危機を脱するまで、事実や全体像について語るのは控えたほうがいい。だが、状況が落ち着いたら、わたしたちは再び「事実に基づく世界の見方」に沿って行動しないといけない。
そして、こういう時の優先順位は、災害への恐怖心といったん切り離して考えないといけない。なぜなら現在、最も恐れられているような災害で亡くなる人の数は、世界のさまざまな問題による死者数に比べて、圧倒的に少ないからだ。もちろん、災害による被害が食い止められているのは、国際的な防災協力が機能しているからなのだが。

著者-ハンス・ロスリング オーラ・ロスリング アンナ・ロスリング・ロンランド
訳-上杉周作 関美和
(2019). FACTFULNESS 日経BP

 

 

ではまた。

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