そもそも日本の働き方は、本なんてじっくり読めなくなるのが普通らしいのです。
そういう働き方がマジョリティなのです。確かに週5日はほぼ出社して、残りの時間で生活や人間関係を築いていたら、本を読む時間なんてなくなるのが当然でしょう。しかし ー 私は思うのです。
「いや、そもそも本も読めない働き方が普通とされている社会って、おかしくない!?」
著者-三宅香帆 (2024). なぜ働いていると本が読めなくなるのか 集英社新書
どうも! 手取り30万サラリーマンのさとまると申します。
今回、ご紹介する本はこちら!
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅香帆 著
・序章~第九章 : 労働と読書の歴史(昔の人は本読めてたの?)
・最終章 : 働きながら本を読むために僕たちができること
本書は、読書だけでなく仕事以外の時間が欲しいと思っている
あなたに読んでもらいたい本です。
趣味をする時間が無い 、友達や家族と過ごせない 、一人でゆっくりしたい 、、
などの悩み解決への糸口になるかもしれません。
本記事の内容につきましては、本書の一部を抜粋し、私なりの解釈を入れて解説しています。
主なトピックはコチラ☟
それではどうぞ。
※全文読まなくても、太字のところだけでもわかるようになってます。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
Q. なぜ、疲れているのにスマホは触れるのか?
A. 自分に関係ある「情報」しか表示されないから。
突然ですが、仕事終わりの自分を想像してみて下さい。
どんなに仕事で疲れていても、スマホを無限にいじり続けた結果、
お風呂にも入らず寝落ち……なんてことありませんか?
(私はalwaysです (*´▽`*))
それにはちゃーんと理由があるんです。
まず、疲れていたら何もしたくなくなりますよね。
そんな中でもできることは、自分に関係すること なんです。
そして、スマホこそ無駄な物(ノイズ) をそぎ落とした「情報」だけを
効率よく摂取できるよう設計されているからなんです。
せっかくなので、読書を例に考えてみましょう。
本には自分が知りたい情報以外にも様々な情報が含まれています。
新書 … 早く答えが知りたいのに、前置きが長いなぁ
自己啓発本… 早く具体的な行動を知りたいのに、事例の文章が長いなぁ
いくら本が好きでも疲れていたら、「情報」の取捨選択は難しいですよね。
では、なんでスマホを触ることくらいしかできなくなるんでしょうか?
Q. なぜ、何もできなくなるほど疲れてしまうのか?
A. 日本企業は残業ありきで成り立ってしまっているから。
日本企業は終身雇用がが前提であるため、他国に比べ
採用や教育訓練に多額のコストを費やす。
景気が後退した時、人件費は真っ先に削減する対象になる。
しかし、日本企業は多額のコストをかけて育てた社員を解雇したがらない。
そんな時、雇用者の残業代を減らすことで調製することにしたのだ。
つまり、日本企業における残業とは、仕事が終わらないからするものではなく、
支払うことを前提とした必要悪だったのです!
(これは目から鱗!)
さらに現代社会は、新自由主義と呼ばれる時代に突入している。
簡単に言うと、良くも悪くも自己責任ということ。
こんな社会では、おちおちゆっくり休むこともままならない。
なぜなら、そんなことをしていたら周りに追い抜かされて
今の生活を維持できなくなると思ってしまうからだ。
それでは本題! 我々はどうすればいいのでしょうか?
いよいよお待ちかね、本書タイトルの答え合わせと行きましょう!!
Q. 働きながら本を読む(余暇に好きなことを楽しむ)ためには?
A. 「半身」で働いて、余力を残す。
これが本書の結論!

いやいや無理でしょ。。。
と思われるかもしれません。
しかし、全身全霊で働いている限りいつまでも本は読めないんです。
そして、仕事と関係ない知識や経験は巡りめぐって、仕事を楽にしてくれるんです。
なぜなら、人は他人との関わり無しでは生きていけず、
他者と心地よく接するためには自分とは異なる視点が必要になります。
その時に思わぬ手助けをしてくれるのがノイズ、つまり自分と関係ない情報なんです。
本や映画などの趣味、旅行、友達や家族と過ごす時間は、そんなノイズを
バンバン与えてくれる存在です。
だから今こそ、勇気をもって「半身」で働いて
もう片方の「半身」を好きなこと、仕事と関係ないことに費やしちゃいましょう!
誤解しないでいただきたいのが、
決して仕事で手抜きしろ、と言っているわけではありません。
メリハリが大事という話です。
感想
ここからは私なりの感想になります。
本書を読んで

そんな「半身」で働くなんてできる????
と思っちゃいました。
でも、著者が語っている通り、
具体的にどうすれば「半身社会」が可能なのか非情に難しい。
あと、個人的には社会変化のスピードが速くなり過ぎているせいかもと思いました。
周りの環境が目まぐるしく変化していく中で、みんなはその流れに乗り遅れまいと
さらに自己研鑽に走り余裕がなくなってしまいます。
何もかも自分のせいにし過ぎるのをやめて、
もっと社会構造に警鐘を鳴らしながら、小さく抵抗していきましょう。
自分を守ってあげるためにも。
ここで印象的な本文を引用したいと思います。
働くの、結構好きだからこそ、言いたいんです。
仕事なんて、所詮仕事だよ!と。自分に言い聞かせたい。~中略~
仕事に人生を奪われたら、だめだ、と思います。
著者-三宅香帆 (2024). なぜ働いていると本が読めなくなるのか 集英社新書
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した内容は、私が独断と偏見で選んだ一部にすぎません。
もっと知りたい!と思ったら、実際に本書を読んでいただくことをオススメします。
あとがきには働きながら本を読むコツが書いてあって、「なるほど」感がエグかったです(笑)。
本書は以下の構成で書かれています。
第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生 ー 明治時代
第ニ章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級 ー 大正時代
第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか? ー 昭和戦前・戦中
第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー ー 1950~60年代
第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン ー 1970年代
第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー ー 1980年代
第七章 行動と経済の時代への転換点 ー 1990年代
第八章 仕事がアイデンティティになる社会 ー 2000年代
第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか? ー 2010年代
最終章 「全身全霊」をやめませんか
今回の記事は、主に第八、九、最終章を参考にしています。
本を読む時間が無い!、という方には「耳で聞く読書」がオススメです。
詳しくは下のリンクからどうぞ。(急な広告、失礼します。。。)
ではまた。


コメント